株式週間展望=下値余地は限定的、押し目買い時期うかがう―目先はもみ合いか

この上昇局面で初めて一定の調整が入った今週(6-10日)、日経平均株価は前週比142円高の2万2681円と上昇を保ったものの、その勢いは鈍った。週足チャートには長い上ヒゲが発生。目先の天井を示唆している。ただ、これまで買い遅れていた向きの待機資金は豊富とみられ、下値は固そうだ。来週(13-17日)は主力株の押し目買いタイミングをうかがう期間となる。また、手控えていた個人投資家が中・小型株、材料株を物色する動きも活発化する可能性がある。

<中・小型株物色始動も>

ようやく小休止を迎えた今週は、9日に日経平均がおよそ26年ぶり高値の2万3382円まで上り詰めたものの、直後に急落してマイナス圏に深く突っ込む荒い動きとなった。10日も売りが優勢となる中、前日比187円安で取引を終えた。

9日までちょうど2カ月続いた日経平均の急騰劇。上げ幅が最大4107円(21.3%)に達したことを踏まえると、むしろ調整は遅過ぎたほどだ。強いファンダメンタルズに変化はなく、弱気に転じる投資家は少ないだろう。米国の法人税減税の先送りは懸念要素だが、あくまで「先送り」で、減税策が頓挫したわけではない。

日経平均の25日移動平均線に対するプラスカイ離率は、乱高下した9日の取引時間中高値の時点で8%に迫った。これが10日の同安値(2万2522円)の段階では、約3.5%まで一気に縮小(終値は4.3%)している。上昇相場入りの9月9日から、高値波乱の起きた10日までのカイ離率平均は3.7%。このラインをいったん下回ったことで、下げは早くも一巡した可能性がある。

バリュエーション面では日経平均はPER(10日は15.0倍)に割高感がなく、需給的にも待機資金に加え、日銀のETF(上場投資信託)購入余力が下支えとなる。こうしたことからも、「下値余地小」と推し測ることができる。

一方、決算発表シーズンを通過し、業績絡みの買い材料が乏しくなる。よって日経平均がすぐに従来の勢いを取り戻すとも考えにくい。一つのシナリオとしては、当面はもみ合いが続き、上昇する25日線とある程度接近したポイントで次の展開に移る見通しだ。

仮に日経平均が10日終値の水準で推移した場合、25日線とのプラスカイ離率が2%を下回るまでに7営業日、1%割れは12営業日を要し、18営業日でカイ離はなくなる計算。このあたりのいずれかが転換期として有力とみられる。

また、これまで強かったセクターはそう簡単に崩れないだろう。

例えば半導体株は、単なる循環物色で上昇したわけではなく、空前の好況を背景に買われてきた。その全ぼうはまだみえず、各社の株価に十分に織り込まれたとはいえない。9日までの過去2カ月で6割超値上がりしていたSUMCO <3436> は、全般安の10日も逆行高した。地合いは相当強いと思われる。

さらに、全体相場が今後横ばい気味で進むとすれば、待機資金は値動きの軽い中・小型株に向かいやすくなる。材料系のテーマ(電池、防衛、保育・教育など)株も狙い目だ。

来週の日経平均の想定レンジは2万2100-2万2800円とする。参考銘柄はSCREENホールディングス <7735> 、ステラ ケミファ <4109> 、テセック <6337> 。

主なスケジュールは国内で15日に7-9月期GDP(国内総生産)。2001年以来の8四半期連続プラスになるかが注目される(市場予想は前期比年率1.5%増)。決算はメガバンクなど金融セクターが集中。また、14日にはMSCI指数の構成銘柄見直しが発表される。海外は中国で14日に10月の小売売上高や鉱工業生産、ドイツの11月ZEW景況感指数、15日に米国で10月の消費者物価指数や小売売上高、11月NY連銀製造業景況指数などが出る。(市場動向取材班)

提供:モーニングスター社

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