CD-ROM2は、かつてNECホームエレクトロニクス(当時)から発売され、PCエンジンの革新的な周辺機器でした。この機器は、CD-ROMを2乗する形で右上に小さく数字を表記する独自のデザインを採用しています。ゲーム機の分野においては、初めてCD-ROMドライブが採用された画期的な製品でした。
当時の主流であったロムカセットと比較して、CD-ROM2は膨大な大容量を誇り、CDプレスによる量産が容易で、かつコストを抑えることができるという利点がありました。これにより、ユーザーはソフトの定価が低くなり、売り切れても再販される可能性が高まりました。ただし、CD-ROM2の本体価格は、最先端の技術を搭載していたため、トータルで60000円弱もかかり、一部のゲームファンにとっては手の届かない価格帯であったことでしょう。
CD-ROM2が発売された日は、世界初のCD-ROMドライブを搭載した家庭用ゲーム機としての歴史的な日でした。多くの人気作品が生まれ、ゲーム業界に革新をもたらしました。
驚きと感動をもたらしたのは、CD-ROM2のゲーム中で採用された豊富なアニメーションでした。TVアニメのような滑らかなアニメーションが随所で挿入され、プレイヤーは画面に釘付けになりました。オープニングだけを何度も繰り返し見るほどの感動がありました。さらに、キャラクターのセリフがボイス入りとなり、ゲーム体験に大きな変革をもたらしました。
当然ながら、CDの採用によりサウンド面も飛躍的に向上しました。CD音源で収録されたメインテーマなどの楽曲は、その音質の良さで一世を風靡しました。一部のファンは、サウンドトラックとしてCDプレーヤーで再生し、その素晴らしい音楽を楽しんでいました。もちろん、「再生するな!」とアナウンスがあるものの、プログラムが入ったCDを再生する面白さもまた一興でした。